この記事について
韓国で話題になったニュースについて、現地ネットユーザーの反応を紹介しながら、背景や日本から見たポイントを解説します。
2026年8月25日に韓国の代表的なドキュメンタリー番組『PD手帳』で「全国セット契約絶滅時代―2030年の絶壁」というテーマが放送されました。韓国の住宅賃貸市場で『伝貰制度』(チョンセ)が急速に衰退し、2030年には事実上消滅するという深刻な予測が提示されています。
この番組は単なる住宅市場の統計分析にとどまらず、日常生活を営む一般家庭がこの制度の廃止によって直面する『引越し難民』『賃金低迷と高騰する住宅費の二重苦』といった現実的な危機を浮き彫りにしています。
引用元:https://www.fmkorea.com/best/10258657894
韓国人の反応
・日本の築古アパート問題と違うのは、韓国の場合は資産形成の手段だった伝貰がなくなるから、ただの貧困化では済まない
・2030年って…そんなに近い?正直、数十年かけて緩やかに衰退すると思ってた人も多いだろう
・MBCが今このタイミングで放送する理由は何だ。政府の政策失敗を認めさせようとしているのか
・相変わらず不動産持ってる層は安泰なんだよ。貧乏人だけが地獄に落ちるシステム
・アメリカみたいに純粋にレント制に切り替わるならまだマシだけど、そっちも値上がりしてるから結局つらい
・朴槿恵、文在寅、尹錫悦…誰が大統領でも住宅問題は解決しないという絶望感
・伝貰で月々払わずに2年で数千万ウォン返すのは、確かに庶民の資産形成だった。それが消えるって…
・テレビは問題提起するけど、解決策は何も言わないんだよな。いつもこのパターン
・政府は『住宅価格を下げる』って言ってたけど、下がってない。むしろ伝貰が減って月賃が上がってる
・若い世代が出産を躊躇する理由がこれだ。子どもを育てるための住宅確保すら難しい
・海外に出ていく人が増えるのも当然。韓国で働いて金貯めて海外で家を買ったほうがマシ
・『2030年』という数字が怖い。あと4年で何が変わるっていうんだ
・不動産の民営化、規制緩和、これらがすべて庶民のためではなく金持ちのためだったことが証明された
・PD手帳って政治性が強い番組だから偏った報道である可能性もある。しかし問題は現実だ
・サムスン、LGの大企業幹部は社員寮があるからいいけど、大多数の労働者はどうするんだ
管理人コメント
韓国の伝貰制度は、日本のバブル期後の住宅市場とはまた違う、独特の仕組みとして機能してきた。不動産を持つのが難しい庶民が、敷金を預けて返してもらう形で、実質的には無利子のまま数年住みながら貯蓄できる。そういう利点があったわけだ。だけど過去20年で都市化が進み、不動産投機が激しくなると、オーナー側は伝貰の低利回りを嫌がって、月払い賃貸へシフトしていった。
PD手帳の報道が反響を呼んだのは、制度がなくなるという事実だけじゃなくて、その後に来る庶民生活の崩壊を映していたからじゃないか。月々の家賃は伝貰より高くなるし、生活費に占める住居費の割合が一気に跳ね上がる。結婚とか出産、子育てといった人生の大事な決断が、全部『住宅問題』という壁に引っかかることになる。
興味深いのは、この危機が『政策の失敗』として語られていることだ。歴代政権が不動産市場を投機の温床のまま放っておいた結果、不動産を持ってる層と持たない層の差がどんどん広がった。規制を厳しくしても価格は下がらず、むしろ月賃は上がる。庶民からすると『どっちにしろ損』という状況になってる。
韓国では『大企業に入る』『大学を出る』といった個人の頑張りがまだ報われると信じられてきた。けど住宅問題は、そういう努力と無関係に、すべての世代を重くのしかかる『構造的な貧困』になりかけてる。高学歴で高収入でも、ソウル南部で子どもを育てるための住宅を手に入れるのは難しい。だから出産率が下がって、地方に逃げて、海外移民も増えてくる。
『2030年に伝貰が消滅する』というタイトルが指してるのって、単なる住宅市場の変化じゃなくて、『韓国型の中産階級ライフスタイルが終わる』ってことなのかもしれない。そこが韓国ネットユーザーの危機感と怒りを呼び起こしてるんだろう。だとしたら、これはもう住宅問題だけでは済まなくなってきてる気もする。